



ディスクユニオン/イケシブにて
限定ステッカー付
特別鑑賞券(1,600円/税込) 発売中!

Introduction
天国で暴動が起きている。 ニック・ケイヴ人生初のバンド、オーストラリアのポスト・パンク・バンド、 THE BOYS NEXT DOOR改め≪THE BIRTHDAY PARTY≫。 音楽を極限へと追い込み、不滅を手に入れ自滅へと突き進んだ怪物級バンドの軌跡。 この映画はTHE BIRTHDAY PARTYについて初めて正式に公認された作品である。
オーストラリアのシンガーソングライターで作家、脚本家、画家、俳優としても知られるニック・ケイヴが70年代、人生で初めて組んだバンド、ボーイズ・ネクスト・ドア改め〈バースデイ・パーティ〉の軌跡を追ったドキュメンタリー映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』。
1970年代前半に学校で知り合ったニック・ケイヴ、ミック・ハーヴェイ、フィル・カルヴァートによってオーストラリア、メルボルンにて結成されたバンド、ボーイズ・ネクスト・ドアを母体に、活動途中に突如バンド名を改名したポスト・パンク・バンド、バースデイ・パーティ(The Birthday Party)。商業性を無視、己の魂の純粋表現のみを目的に破滅的なライヴを繰り広げたバースデイ・パーティは地下世界にとどまらない影響を拡散するも、バンドは拠点をオーストラリアからイギリス、ロンドン、そしてドイツのベルリンへと移し、1983年、自滅した。
そのヴォーカルであるニック・ケイヴは現在のバンド、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとして本年のグラミー賞では最新アルバムから2部門でノミネートされるなど、40年以上のキャリアを誇りつついまだ人気の衰えをしらないアーティストとなっている。 プロフェッショナルな音楽=製品は、すべて敵だ。 バンドの目的はエンターテインメントではない。 音楽は、不快で邪悪なものだ。
本作『バースデイ・パーティ/天国の暴動』は、メンバーのミック・ハーヴェイが音楽監修を務め、『ベルリン・天使の詩』(87)にニック・ケイヴがニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとして、そしてミック・ハーヴェイとローランド・S・ハワードがクライム&ザ・シティ・ソリューションのメンバーとして出演するなどバースデイ・パーティの面々の長年の友人である映画監督、ヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務めている。監督は国連からドキュメンタリー作品の制作を依頼される社会派映像作家として知られ、以前はオーストラリアにてバットホール・サーファーズほか多くのミュージシャンのポスターやアートワークを手掛けてきたイアン・ホワイト。ホワイトはバースデイ・パーティ最初期のメルボルンでのライヴを実際に目撃している強者。このドキュメンタリーは当初2000年代にギターのローランド・S・ハワードがスタートさせたプロジェクトだったが2009年にハワードが癌で他界、残されたメンバーとハワードの遺族からの依頼でプロジェクトを引き継いだホワイトが完成させた。それまで幾度もドキュメンタリー映画制作を打診され、そのすべてを断っていたバースデイ・パーティはハワードのプロジェクトを最も信頼できるホワイトに託した。
本作ではボーイズ・ネクスト・ドア/バースデイ・パーティの6年間の軌跡をインタビューやライヴ映像は勿論、無政府主義的な精神性、音楽の限界のみを追求した破滅的ライフスタイルをメンバー自身の言葉で綴る。バンドの結成、メンバーの未公開プライベート映像、アニメーション・シーケンス、未公開ライヴ映像、そしてロック史上最も伝説的なライブ・アクトのひとつをフィーチャー。 この映画は、バースデイ・パーティについて初めて正式に作られた、バンド公認の映画作品となった。



Cast/Staff
Cast
ニック・ケイヴ
ローランド・S・ハワード
ミック・ハーヴェイ
トレイシー・ピュー
フィル・カルヴァート
Staff
監督
イアン・ホワイト
製作総指揮
ヴィム・ヴェンダース




Reviews&Comments
Reviews
バースデイ・パーティの初期ライブ映像が、この作品を刺激的で電撃的なものにしている。ケイヴが取り憑かれた男のように泣き叫び、暴れ回っている。
万人向けではないが、バースデイ・パーティのダークで詩的なニヒリズムに惹かれる人にとっては天国のような作品だ。
影響力のあるパンク・バンドについての、非常に慌ただしい入門書のような作品だ。
ロックしているのは被写体だけではなく、映画のあらゆる要素であり、監督のイアン・ホワイトは、映画自体がボトルを飲み干し、夢のパイプを吸い、モッシュピットで踊り回り、すぐにひどい二日酔いで目覚めるような感覚を与えている。
監督のホワイトは主題にしっかりとタイトに焦点を合わせ、熱狂的な遡及的評価をクールに最小限に抑えている。
本作の内容は、ファンにとっても、そしておそらくそれ以上に、ニック・ケイヴのその後の膨大な作品群しか知らない人にとっても、観る価値のあるものだ。
監督が捉えているのは、バースデイ・パーティの生々しくも意図的、偶然でありながらも構造化されたエネルギー、そしてある程度の不快感が彼らの創造性と成功の原動力となっている様子だ。
本作の素晴らしいところは、ホワイト監督が残酷描写の重要性を理解している点だ。無実の人々を守るために物事を美化するのではなく、この映画はバースデイ・パーティを決定づける暗黒と危険を積極的に取り入れている。
この映画で披露されるライヴは魅惑的だ。もっと騒々しいバンドや、歌詞がもっと「衝撃的な」バンドもあるが、バースデイ・パーティがもたらす差し迫った恐怖に匹敵するバンドはいない。
知らない人にとって、バースデイ・パーティのパワーと激しさを知ることは必須だ。ニック・ケイヴの完全主義者にとっては、ケイヴ自身が最近はあまり探求していないこの時代のものに触れる必要がある。
ポスト・パンク時代の最重要バンドのひとつ、バースデイ・パーティの結成と自滅を爽快に描いた作品。本作の大きな強みは、バースデイ・パーティの生々しく、醜く、そして超越的ですらある化学反応を引き出す曲に、観る者を引きずり込むことだ。
怒りの渦と目を丸くした真剣さを内包した音楽が唯一無二な、誤解されたバンドを取り巻く騒乱を記録した、雷鳴のようなポスト・パンクのタイムカプセルだ。
これは、今シーズンの最もショッキングなホラーの一つといえるだろう。観ているとバースデイ・パーティの物語にまるで『ソウ』の新作を観ているかのように汗をかくことになる。誰もが残酷な死を遂げることはわかっているが、エンドクレジット後の結末を知っていても、流血の鼓動を感じずにはいられない。彼らを今の場所へと導いた泥沼を再び体験するには、深呼吸が必要だ。
Comments
俺たちはロック音楽が包含するはずの矛盾、反抗心といったすべての要素を備えた世界で唯一の本物のロックバンドだと感じていた。それをさらに推し進め、より壮大なものにしたいと思っていた。
このバンドは我々の鈍感で凡庸な生活に対する、官能と笑いの爆発だ。彼らは神話の陰に潜む、我々にとっての新たなローリング・ストーンズ。ジャズがパンクと競い合い、ロックンロールがファンクに滑り込み、時制を超えた過剰さと死体発掘、精神的な病の領域に宙吊り状態になった欲望の衝突だ。
楽しい夜を過ごした時は、他に類を見ない体験だった。それは、起こっていることの総計を超え、奇妙なクロスオーバーのカタルシス的なアートイベントか何かになる可能性を秘めているようだった。
バースデイ・パーティは、人工的な苦痛、つまり、見せかけを通して感情を喚起する意志の必死の衝動を大いに楽しむことで、人々に衝撃を与える。彼らのパフォーマンスは、まさにフラストレーションの儀式的な劇場であり、疲労と絶望のしぐさしか生み出せないほど生々しい音の寄せ集めだ。人間のエネルギーの核心にある恐ろしい空虚が、ここで到達される。
ロックは文化の肛門として記憶されるだろう。
ステージに5人の不愉快なエイリアンが登場する。股間が分かれた金色のラメのドレンパイプを身にまとい、黒い炎のような髪の間から傷ついた顔がピクピクと動く1人が歌手のようだ。もう1人は巨大なディルドのようにベースギターをくくりつけ、網タイツのベストとステットソン帽をかぶり、クリストファー・ストリートで肉を売るために生やしそうな口ひげを生やしている。おそらく最も不気味なのは、ばかげたスーツを着た、ひょろっとした精神異常の田舎者が、まるで『悪魔のいけにえ』のオーディションを受けているかのようにギターくくりつけている。なんと、まだ1音も弾いていないのに、すでに観客の半分が列をなして出て行く。
NMEによるニューヨーク、リッツでのコンサートレビュー
バースデイ・パーティのライヴを観たけど、とんでもなかった。ニックのすべてとトレイシーのベース。視覚的にも超ワイルドで、他の誰とも違うサウンドだった。彼らの曲作りもあまりにかけ離れていて、誰もあんな風にギターを弾けなかった。
バースデイ・パーティは私に衝撃を与え、私の世界を完全に変えた最初のバンドだった。
私のフェイバリットバンドだ。あんなボーカルは聴いたことがなかった。あんな音楽的暴行を受けたこともなかった。そして彼らの写真を見たら、まさにロックンロールだった。彼らを見てほしい。これがバンドだ!
ロンドンではパンクで起こっていたことはすべて終わっていた。俺たちは聴いていた音楽が本当に、本当に嫌いだったし、場所も天気も嫌いだったし、俺たちに金がないという事実も嫌いだった。
Goods
coming soon